2016年2月9日火曜日

久安寺「座禅と朝粥の会」

久安寺「座禅と朝粥の会」
 台風12号のなごりの残る9月4日(日)午前8時から伏尾「久安寺」で「真言禅と朝粥の会」が開かれました。住職「国司(くにし) 禎相(ていしょう)」師による毎月第1日曜日に行われている行事です。墨色の空と深い木々の緑に囲まれた境内を、未だ雨足の激しい寺院石畳を「方丈」へ向かう。参禅者は夫婦2組を含む7名で初めて参加される方も多い。お互い見知らぬ仲だがあえて紹介することはせず、参禅の同じ目的で集う方々である。まずはお茶を頂き、参禅の注意を聞いて道場「御影堂」へ雨音を聞きながら師に続いて廊下・階段を進む。弘法大師が久安寺に逗留された庵(いおり)の跡に御影堂が建てられている。堂内は10数人が座ることの出来る位の広さで内陣正面には本尊「弘法大師木像坐像」が安置されている。まず香木(こうぼく)の粉末を掌に五体の清浄をします。座布団を三角に折り敷いて胡座(あぐら)し、左掌(てのひら)の上に右掌を乗せ両親指を合わせると逆ハート形となり心臓を表わします。これを丹田(下腹部)に置いて背筋をぐっと伸ばして仏前勤業が始まります。教本を捧げ持ち「自分を愛し、自分を愛するが故に、家族や他人を愛し、事業を愛し、尊い生命人生を愛する」という「菩提薩捶」(ぼだいさった⇒修行)の生き方を梵語(サンスクリット語)で音程をつけて声明(しょうみょう)します。教本には楽譜も書いてあります。「摩訶般若波羅蜜多心経」の一節も唱えます。そして照明が落とされて、ストレスを和らげる音楽セラピーを聴きながら瞑想(めいそう)(ぎょう)に入ります。30分程の座禅の後両手を頭の上に挙げて深呼吸をしながら身体に沿って降ろして呼吸を整え足腰の固まりをほぐして座禅は終わります。禅宗の座禅のような厳しさのない行法ですが、落ち着きのあるすっきりした現代風のモダンな座禅に親しみを感じました。
ここ御影堂の鴨居(かもい)には25体の「雲中供養菩薩像」があります。これは京都宇治「平等院」の像のレプリカとして造られたもので平等院の国宝が万一遺失した場合のため不燃材で木像そのままに造られています。ひっそりと保存されている貴重な宝物です。
お勤めのあとの温かい朝粥は梅干・沢庵・塩昆布・薄味の野菜煮つけ・そしてフルーツとお饅頭。胃に優しく理想的な朝食です。これぞ日本の味!
久安寺は間もなく「紅葉の寺」として秋の風情が楽しめる季節となります。

                     H23.10.(2011)

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