2016年2月6日土曜日

新生「池田呉服座」こけら落とし

 新生「池田呉服座」こけら落とし
旧呉服座は犬山市「博物館明治村」への移築を前に昭和44年「お名残り興行」が行われました。それから41年振りの111日に新生「池田呉服座」(いけだごふくざ)として復活しました。当日は午前10時から元呉服座「座主」(本家)中田氏ご家族をお迎えして、記念式典が開催されました。私費を投じて改修された新座主山崎照久氏。「呉服座」の名称使用許可や町並み保存整備に尽力された倉田市長。大衆演劇の一座と劇場の仲立ちをされる山根演芸社社長。栄本町町内会長岸上宏司氏を始めとして各界の来賓多数の出席のもと初演の紀伊国屋章太郎太夫元の司会で華やかにオープンしました。
まちなみ保存整備事業で電柱のないすっきりとした栄本町通りには「落語みゅーじあむ」
「ビリケン像」が出来て、国登録有形文化財「旧加島銀行」(カワムラ商店)長谷川紙商(ハセガワアート)紅屋呉服店・はむろや薬局など古い旧家が旧能勢街道(巡礼道)の面影を
感じさせてくれます。ここに加わった「池田呉服座」がさらに池田の新しい風情をつくりあげ、多くの方々が訪れて下さることを期待したいと願っています。
こけら落とし興行は「劇団紀伊国屋」が12月までの2ヶ月間毎日昼・夜2回公演されます。旅役者と呼ばれる大衆演劇の劇団一座は全国に150座程もあります。主催者は座長と呼ばれ多くが血縁者で1~3歳から舞台を踏み全国の劇場を巡業します。歌舞伎などとは違って一般大衆を観客としてわかり易く楽しい庶民の芝居です。また役者との距離が近く一体感があって追っかけファンが多いのも特色です。
初日の昼の部を観に行きました。芝居の演題は「坪井金五郎廓の立て引き」背景は絵幕で大道具なし、小道具を上手く使って狭い舞台を有効に生かして場面が展開する。役者の息使いが伝わる距離感だ。アドリブで観客を笑わせたり、台詞でしんみり泣かせたり、立ち回りの活劇もある。演技は確かなものだ。衣装はなかなか立派なもので安っぽい田舎芝居ではない。第2部は歌謡・舞踊ショー座主の澤村慎太郎の芝居から一転した女形は男とはとても思われない艶やかな舞踊に惚れ惚れとする。幕間には役者全員で前売り券を面白く売り捌くあたりは大衆演劇ならではの演出だ。狭い劇場のスペースに短い花道をつけてある。役者が良く見えるように踊り場を少し高くし花道は下降して舞台へ出る。呉服座独特の工夫がある。3時間余りの時間も忘れる興行の楽しいひと時を過ごして役者全員の見送りを受けてビリケンさんの足裏をなでて帰路についた。

3000円あれば「吾妻」でさざめうどんを食べてお芝居を観て、お茶でおしゃべりして、一日を楽しく過ごすことが出来ます。憂さを忘れて元気になること請け合いです。


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